毎日・世論フォーラム
第373回
2025年9月11日
ジャーナリスト 鈴木 哲夫

テーマ
「政局を読む――波乱の2025年秋」

会場:ソラリア西鉄ホテル福岡

今、野党も試されている

鈴木 哲夫 ジャーナリスト
鈴木 哲夫 氏

プロフィール

鈴木 哲夫
(すずき てつお)

 1958年、福岡県出身。早稲田大法学部卒業後、テレビ西日本に入社。記者として警察、行政などを取材。フジテレビ報道局政治部勤務を経て、95年、東京メトロポリタンテレビジョンに移籍。キャスターやデスク、報道制作部長として活躍した後、日本BS放送に移り、執行役員報道局長などを歴任し、2013年からフリージャーナリストに。
 権力中枢や永田町を間近で見続けており、政界に幅広い人脈を持つ。梶山静六、小渕恵三、橋本龍太郎(いずれも故人)の番記者を務めた。
 RKBラジオや文化放送、ラジオNIKKEI、TBS系の情報番組やBS11など多くのメディアに出演している。
 近著に「増補版石破茂の『頭の中』」(ブックマン社)、「シン・防災論」(発行=日刊現代、発売=講談社)

 毎日・世論フォーラムの第373回例会が9月11日、福岡市中央区のソラリア西鉄ホテル福岡であり、石破茂首相を20年以上取材してきたジャーナリストの鈴木哲夫氏が「政局を読む――波乱の2025年秋」と題して講演した。
 鈴木氏は、石破氏が退陣表明した翌日の9月8日夕方、約30分間に渡って本人と電話で話したことを振り返り、その際、石破氏が「(6日夜に)菅義偉元首相と小泉進次郎農相に会う前に自分で辞任を決めていた」と話したことを明らかにした。その上で辞任表明に追い込まれた理由について、自民党内の反発などさまざまな重圧が重なり「最後は心が折れたんだろう」と推察。一方で在任中に発表されるとみられる戦後80年の「首相見解」に期待感を示した。
 また、与党は衆参両院で過半数割れしており、石破氏の後任を決める総裁選(10月4日投開票)で選ばれた新総裁が直ちに首相になれるわけではないと指摘。「自民党は試されているが、野党も試されているのが今の政治状況だ」と強調し、「こういう国にするという国家像があって初めて政権がある。野党は(自公政権とは)違う国家像を示すべきだ」と訴えた。

年度別アーカイブフォーラム