毎日・世論フォーラム
第366回
2024年10月8日
毎日新聞専門編集委員 伊藤 智永

テーマ
「新政権の前途・衆院選の焦点」

会場:ソラリア西鉄ホテル福岡

石破政権の勝負どころは来年の参院選

伊藤 智永 毎日新聞専門編集委員
伊藤 智永 氏

プロフィール

伊藤 智永
(いとう ともなが)

 東京大学文学部卒。1986年、毎日新聞社入社。浦和支局(現・さいたま支局)を振り出しに、91年・政治部。経済部、福岡報道部デスク、外信部を挟み、永田町・霞ケ関の取材を続けている。2009~12年、ジュネーブ特派員を務め、国連欧州本部、中東・北アフリカで起きた民主化運動「アラブの春」、ギリシャ経済危機、欧州留学時の金正恩・現朝鮮労働党総書記の足跡などを取材した。
 帰国後はオピニオン担当編集委員、編集局専門記者兼論説委員を経て現職。この間、政治コラム「時の在りか」を5年半連載し、現在、毎週土曜日の朝刊にコラム「土記」を執筆中。
 著書に「靖国戦後秘史―A級戦犯を合祀した男」(角川ソフィア文庫。単行本は2007年、毎日新聞社)、「『平成の天皇』論」(講談社現代新書)など。

 毎日・世論フォーラムの第366回例会が10月8日、福岡市中央区のソラリア西鉄ホテルであり、毎日新聞専門編集委員の伊藤智永氏が、「新政権の前途・衆院選の焦点」と題して講演した。伊藤氏は「自民党が(次期衆院選で)政権転落することはないだろう。石破茂政権の最大の勝負どころは来年の参院選だ」と述べた。
 伊藤氏は、自民総裁選を振り返り「菅義偉副総裁と森山裕幹事長が大きな発言力を持つポジションを得た」と指摘。新政権の顔ぶれを「菅氏の人脈と森山氏が推す人、石破氏の昔からの仲間の3色で構成されている。分かりやすいと同時に非常にもろい」と評した。
 衆院選については「自民は逆風だが、野党は準備不足だ」と指摘しつつ、「(10月)9日の党首討論や石破氏の記者会見が分かれ目となる」との見方も示した。そのうえで「来年の国会で『これが石破政権』と国民がイメージを持てるような政権運営ができるかが重要だ」と述べた。

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