毎日・世論フォーラム
第353回
2023年6月15日
日本総研国際戦略研究所特別顧問、元外務審議官 田中 均

テーマ
「先鋭化する米中関係と『サミット後』の世界」

会場:ホテルニューオータニ博多

衝突を止める役割は政治と外交に

松井 一郎 日本総研国際戦略研究所特別顧問、元外務審議官
田中 均 氏

プロフィール

田中 均
(たなか ひとし)

 1947年、京都市出身。69年、京都大学卒業。外務省入省後、オックスフォード大学修士課程を修了。北米局審議官、在サンフランシスコ日本国総領事、経済局長、アジア大洋州局長を経て外務審議官を歴任。アジア大洋州局長時代には北朝鮮と水面下で交渉を続け、小泉純一郎首相(当時)の訪朝、日朝両国首脳の直接会談を実現させた。05年、外務審議官を最後に退官。その後(公財)日本国際交流センターシニア・フェロー、(株)日本総研国際戦略研究所理事長、東大公共政策大学院客員教授を務めた。「見えない戦争」(中公新書ラクレ)、「日本外交の挑戦」(角川新書)などの著書がある。毎日新聞デジタル「政治プレミア」、毎日新聞夕刊「時代を見る目」(第4火曜日掲載)に寄稿している。

 毎日・世論フォーラムの第353回例会が6月15日、福岡市のホテルニューオータニ博多で開かれ、日本総研国際戦略研究所特別顧問で元外務審議官の田中均氏が「先鋭化する米中関係と『サミット後』の世界」と題して講演した。田中氏は、米・中両国間で緊張が高まっている現状を踏まえ、「衝突を止める役割は、政治と外交にある」と強調した。
 田中氏は、米中関係を衝突▽競争▽共存▽協力――の四つの側面で分析。中国側には建国100年となる2049年に向けて台湾統一が念頭にあるとし「中国が武力で統一を図れば戦争になる」と指摘した。
 一方、経済的な共存や協力が「安全保障のために有効」といい、中国が環太平洋パートナーシップ協定(TPP)などの枠組みで国際貿易ルールに従うことが日本の利益にもなると説明。米中、日中間の将来を「政治と外交が四つの側面のバランスを取れば衝突につながらない」と語った。

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